「自明性の罠」からの解放

著者:見田宗介

 前置き:

現代文で学ぶことは大きく分けて二つ。二項対立(論理構造)と、抽象的思考と具体例の識別です。

 現代文では今と昔、日本と海外、一般論と筆者の持論というように、対比軸をもって物事を論じています。これを二項対立といい、何と何を対比しているのか、筆者の意見の根拠は何か、論理構造を考えることが大事です。

 また、筆者は抽象的な持論を持っており、その持論を具体例で補強しています。筆者は結局何が言いたいのか。抽象的思考と具体例を識別できるようになりましょう。

 さて、今回の「『自明性の罠』からの解放」はズバリ、二つの特徴を比較しながら、筆者の結論に導くスタンダードな評論です。読みながら重要な箇所に線を引く癖をつけながら、大事なところに気づく訓練をしていきましょう。

要約文

第一段落: 私たちが当たり前だと思っていたことは、実は世界からみたら当たり前ではなかったことに気づく。このように他と比較しながら自分を省みて発見することを「自明性の罠からの解放」と呼ぶ。「近代化された社会」と「そうでない社会」を比較してみよう。

  対比: なし

🐿の補足: 今と昔、日本と海外。アジアとヨーロッパ。私たちは自分をみただけでは自分の特徴に気づけません。他と比較して初めてその特徴に気づくことができるのです。海外の特徴を見ることで、日本の特徴に気づきましょう。


第二段落: 近代化された世界では「時間は使うもの」という感覚を持つ。時計を中心に1日がすぎていき、人々は能率を考えて行動する。

  対比: 近代化されていない世界では「時間は生きた時間」という感覚を持つ。待つ=無駄という感覚がない。人々はその「無駄に使われた」時間を楽しんでしまう。

 具体例: インドでは普通に列車が遅れる。二時間待ったあと、アナウンスが流れてその日の運行が取りやめになることも普通。もちろんその列車を待っていた筆者のその日のスケジュールは全部だめ。だけど周りのインド人にはイライラした様子はみられない。むしろ待つ時間を楽しんでいるようにみえる。

 カフェテラスで何もしないで行き交う人々を眺めて過ごした時間、海外線を日が暮れるまでただ歩き続けた時間。これは近代化された世界の価値観で言えば「無駄に費やした」かもしれないが、一方では「生きられた時間」になりえる。

🐿の補足: 全くの個人の主観なのですが、🐿は「GWどうしてた?」という世間話が苦手です。基本的に「何もやってない」が最高の休日の過ごし方だからです。好きな時間に起きて、のんびりだらだらして、寝たり家事をしてみたり。この「何もしない」時間は無駄なのか? いえいえ、「生きた時間」ですよ。

「インドは近代化されてない世界」と言ってしまう筆者の持論は大きな語弊と誤解を生みそうですが、こういう価値観の対立は誰しもが持っていると思います。

 ちなみにここの「近代化と時間」という考え方は現代文では頻出です。ついでに頭の隅に留め置いておきましょう。


第三段落: ぼくたちは新しい社会の形を作らなければならない。そのためには異世界を理想化するのではなく、両方をみて様々な生き方や社会を知り、想像力を広げることである。

  対比: インドの方がよい? 今の日本の方がよい? いやいや、どちらか一方を良いと判断するのはやめましょう。

🐿の補足: インドっていいよね。インドのやり方にしよう。っていう極端な考え方はやめましょう。この部分は取り入れよう。この制度を変形したらもっとよくなるのではないか。一つ一つ丁寧に考えることが筆者のいう「想像力を広げる」ってことなんじゃないかなあと思うのです。


どんな話か理解できたでしょうか?

 昔色々あってタイで引きこもってた時、タイの映画を英語字幕付きで観たことを思い返します。なんでもない普通の青年が韓国海苔を商品化し、それが大ヒットしてお金持ちになったサクセスストーリーだったのですが、あまりにも感覚が違うことに衝撃をうけました。日本人が映画の主人公と同じことをやったら四方から「ただの自業自得だろう?」と叩かれるような出来事が、映画の中では「なんて不幸なことが起きたんだ!しかしこの不幸にも負けないで努力を続けなければ」という演出になっていたのです。(例えば試作品の韓国海苔を高齢の従業員に味見させ続け倒れさせたり、アポもないのに会社に乗り込んで商品を売って欲しいので社長に会わせて欲しいと駄々をこねて断られたり etc etc…)映画のストーリーよりも価値観の違いに大きく衝撃をうけたものです。

 外国の映画をみるって楽しいです。残念ながらそのタイの映画はもう発掘するのはできなかったのですが、代わりにインド映画でも置いておきます。タイの映画ほどの衝撃ではありませんが、こちらもインドの価値観を根底に作られているので、なかなか面白かったです。

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「自明性の罠」からの解放” に対して1件のコメントがあります。

  1. shimarisu より:

    授業案: 教科書の文章を読みながら、筆者の主張の箇所に線を引け。段落ごとに要約を行うこと。

  2. shimarisu より:

    授業案: 他の文章を‪読み、筆者の主張の箇所に線を引け。段落ごとに筆者の主張を抜き出し要約を行うこと。

  3. shimarisu より:

    授業案: 自分の身の回りで「自明性の罠」を見つけ、具体例をあげよ。

  4. 匿名 より:

    いとうそういちろう

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