「私」中心の日本語

著者:森田良行

 前置き:

現代文で学ぶことは大きく分けて二つ。二項対立(論理構造)と、抽象的思考と具体例の識別です。

 現代文では今と昔、日本と海外、一般論と筆者の持論というように、対比軸をもって物事を論じています。これを二項対立といい、何と何を対比しているのか、筆者の意見の根拠は何か、論理構造を考えることが大事です。

 また、筆者は抽象的な持論を持っており、その持論を具体例で補強しています。筆者は結局何が言いたいのか。抽象的思考と具体例を識別できるようになりましょう。

 さて、今回の「『私』中心の日本語」では日本語のことわざを具体例として使いながら、日本語の特徴を論じています。ここでは具体例の使われ方について学びましょう。

要約文

第一段落: 日本語は「私」を表す人称代名詞の数が多い。なぜか。

 具体例: 僕、おれ、おいら、わたし、わし、わて、わちき、あっし、我輩、こちとら、わたしし、あたくし、あたし、あたい、小生、拙者、それがし 

🐿の補足: 「私」を表す語彙、多いですよね。でも、改めて考えると、これらはどれもちょっとずつニュアンスが違う気がします。どうしてこんなに増えたのか、筆者は冒頭で問題提起を行なっています。


第二段落: 日本語は「私」中心の世界観の言語である。日本語は「私」と「世間一般、公、人、他人」その対比軸で分け、世間や他人は自分に対してどのような影響を持つかを重視する。他人からみられていることへの神経質なまでの意識、受動的な態度を表しているのだ。

 具体例: 次にあげる日本語のことわざはいずれも「人の目」を気にする言葉である。

 「人の顰蹙を買う」「人聞きが悪い」「人の口に戸は立てられない」「人の噂も七十五日」「人目にさらす」「人目に余る」「人目がうるさい」「人目に立つ」「人目につく」「人目をはばかる」「人目を盗む」「人目を忍」「人目を繕う」などなど

🐿の補足: 第二段落の筆者の主張が「日本語にはなぜ『私』を表す語彙が多いのか」の答えにつながりにくいですね。次のように考えてみましょう。日本語とそれを話す人は、人の目を、他人の目に自分がどう映るのかを異常なまでに気にします。そして、その「人の目」にあった「私」を使い分けているのではないでしょうか? わかりやすい例を出してしまえば、いつも「俺、俺」といきがる男性もフォーマルな場では「私」と言葉を変えます。「あたい」「わし」「あっし」、この「私」を表す語彙はキャラクターと結びついています。家族、友達、ネット、職場、同じ人間でも様々な「私」がいるでしょう。つまり、人の目、周りの状況の数だけ「私」は増えるのです。

まとめ: 日本語の「人」には、その対象を見る「人の目」が常につきまとっている。


どんな話か理解できたでしょうか?

 本文に対比軸がなかったので、日本と欧米とで対比して考えてみます。

日本は「私」と「その他」で考えると筆者は述べます。一方でキリスト教圏を中心とする欧米圏は「私」と「神」で考えるというのが比較社会論での定石です。欧米圏では「神の前に人は皆平等。人類皆兄弟」というわけです。日本のように病的なまでに人の目を気にしません。

 その昔、欧米人は日本式の道徳教育をみて驚いたと言われます。欧米では子供のしつけは「神様がみている」を軸に行われます。悪いことはみんな神様がみていて、死後に罰を受ける。そう言われて子供は常識やモラルを身に着けるんですね。一方で日本では「世間の目」を軸にモラルを教えます。「そんなことしてると、周りに笑われるよ」「もうおにいちゃんなんだからしっかりしないと」。日本では世間の目を意識しながら常識やモラルを身に着けるわけです。

まさしくこの文章で筆者が述べるように、日本語は私と人の目を意識する文化の言語なのです。

(こちらは新渡戸稲造の武士道の受け売りです。「これが日本人だ」と言われるとさすがにそんな日本人いないよ。というほど古いですが、一つの文化として面白いです。読みやすいのでぜひぜひ。)

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